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■JUN ビックバルブヘッド(96cc)への仕様変更

 宙太さんから頂いた武川のSステージを組み付けてから、早いもので2年以上が経過しました。このキットは
圧縮比が11を超えるだけあって低速トルクも十分あり、なかなか乗りやすいのですが、ノーマルヘッドを
流用する関係で、8,000回転以上の高回転が回りません。 ポート加工など一通り対策もしてみましたが
9,000回転ぐらいが限界で、社外ヘッドの感覚を知っているだけに、どうしても物足りません。

 一人でゆっくり走る分にはいいのですが、ツーリングで一緒に走ると、平地ならともかく山道では完全に
ついていけなくなります。「やっぱり社外ヘッドに交換したいなぁ」と、半年前ぐらいから色々考えていました。

 そこで問題となのが、キット選びです。今のシリンダーを生かすなら、武川のRステージあたりが対象に
なります。しかし、高圧縮比の88ccは、低速域に力はあっても、ちょっと荒い感じというか滑らかさに欠ける
ところがあります。それに、これ以上の高出力だとノーマルクランクの耐久性も気になるので、できれば
クランクも合わせて交換したくなります。

 それともう一つ気になるのがマフラーの消音問題です。正直、今の88ccでもいっぱいいっぱいの音量
なので、これ以上の騒音増加は避けたいところです。パワーを上げつつ、耐久性と消音も考えたいという
なんとも矛盾した悩みなわけですが、今回、私が出した結論は、JUNの96ccキットという選択です 。

 実は以前、JUNのロングストローククランクを中古で手に入れていたのですが、なかなか使う機会がなく
そのままになっていました。今のSステージのまま、社外ヘッドに交換して、JUNのロングクランクで
105ccという仕様も考えたのですが、セッティングに苦労しそうだったので、無難にJUNでメーカーを
揃えることにしました。(^^;

 
 JUN international BV80ccフルセットボアアップキット 定価 50,000円(税込)

 このキットに、JUNのロングストローククランク(49.5mm)を組み合わせると96ccになります。JUNの
キットは面白く、ピストンサイズは49.6mmと一般的なサイズ(52mm)より少し小さくなっています。
当然、排気量は少なくなりますが、その分スリープ厚に余裕ができるわけで、耐久性を重視した設計と
なっています。

 キットの中には、組み付けマニュアルも入っているのですが、これがなかなかシンプルな作りで、大手の
メーカーと比べると、なんとも寂しい内容です。

 

 (↑写真)マニア向けのメーカーなので、あまり期待はしてはいけないのでしょうが、この説明だけで
初めての人が組むのは、難しいでしょうね。せめて付属品の一覧ぐらいは付けて欲しいところです。
で、このキットと合わせて96cc用のガスケットを別に注文したのですが、なんと!80cc用が届きました。

 

 (↑写真)一体どういうことだと思い、 販売元にメールで確認したところ、96ccのガスケットは80cc用と
共通仕様になっているそうです。だったら、HPに分けて掲載するのは止めて欲しいと販売元には返事を
したのですが、昔は共通で掲載していたところ、96cc用は無いのかと問い合わせが多かったので
今の表示になったとのことでした。う〜む、それなら96cc用のところに「80cc用と共通です」と注意書きを
一文入れれば、それで済む問題だと思うのですが・・・。おかげで、ガスケットキットが1セット丸々余る
ことになりました。(;;

 まぁ、嘆いてもしかたないので、また今度オーバーホールの時に使うことにします。それで、実際の組み
付け作業ですが、細かい分は省略して、まずはエンジンを下ろしたところから解説を始めます。

 

 (↑写真)毎度の同じ方法ですが、大きなプラスチックケースに入れて室内に持ち込んでの作業です。
野外の作業と比べるとじっくり作業できますが、オイルの臭いがすごいので、換気しないと後がすごいことに
なります。(^^;

 エンジンの分解は、過去に数え切れないほどやっていますが、ここ1年以上、完全分解はしていなかった
ので、手順を再確認しながら、作業していたところ、気になる部分が出てきました。

 

 (↑写真)クランクケースのカムチェーンが通る部分ですが、ケース側面にチェーンが擦った後が
あります。実は前回、Sステージのボアアップキットを組み付けた際に「ライトボアアップキットだし、ノーマル
でも十分耐えるだろう」
と思って、強化品に交換していなかったのですが、どうやらカムチェーンが横方向に
暴れているようです。オートのカムチェーンテンショナーでは、調整しきれないのだと思いますが、せっかく
なので、今回は強化品に変更します。(↓写真)

 
 キタコ SDカムチェーン 82L 定価 3,570円(税込)

 

 上がノーマルで下がキタコの強化品です。チェーンを並べて横方向の曲がり具合を比較したところです。
キタコの強化品はノーマルと比べてチェーンの肉厚が厚くなっていのですが、チェーンを横方向に曲げて
みると、曲がり方にかなり差が出ます。今回これで組んでみて、やはり横方向に暴れるようなら、チェーン
ガイド周りの見直しも必要になるかもしれません。

 

 (↑写真)今回の本題である、JUNのロングストローククランクを組んだところです。今時珍しい
MADE IN JAPANの文字が誇らしいですね。(^^

 組付けの際、クランクのコンロッド根本のガタを測定してみましたが、ノーマルクランクで横方向のずれが
0.31mm、JUNのクランクで0.22mmでした。サービスマニュアルに記載されている消耗限界が0.5mmなので
このノーマルクランクもまだまだ使えそうです。武川のSステージを組んで、2,000kmぐらいは走りましたが
オイル管理さえ気をつけていれば、ノーマルクランクでも意外と耐えますね。

 それと、今回もう一つ見直したかったのが、一次減速比です。実は、今ままで手持ちで余っていた
デイトナの2枚板タイプのクラッチを使っていたのですが、このクラッチは減速比がノーマルと同じ為
8インチタイヤと組み合わせると、スプロケットの選択がなくなってしまいます。現在、私の車両のギヤ比が
F16×R26となっているのですが、このギヤ比だとチェーンに負担が掛かり、あっという間にチェーンが伸びて
しまいます。それに今回、さらにパワーを上げようとしているわけで、これ以上小さいギヤを選ぶわけには
いかず、新しいクラッチキットに交換することにしました。

 
 DAYTONA デイトナ 3ディスククラッチキット 定価 9,240円(税込)

 (↑写真)一般的には武川の3枚板のキットが有名だと思いますが、あまりに定番すぎて面白くないので
デイトナにしてみました。構造的には武川とほとんど同じ作りなので、どちらを選んでもほとんど差はないと
思います。デイトナと武川を比較して、カタログ上の違いですが、デイトナはオイルポンプの厚みについて
注意書きがあることぐらいでしょうか。武川より多少クラッチ本体が大きい? まぁ推測ですが、見た目上の
違いはありません。

 

 (↑写真)武川と同じく仮組した状態で出荷されており、プライマリードライブギヤが分離できるのも
同じです。この手のキットを組むときいつも思うのですが、ロックワッシャーの新品を付けるならロックナットも
一緒に新品を付けて欲しいと思うのは私だけでしょうか。ロックナットってインパクト無しだと無傷で取り外す
のが難しいと思うのですが・・・。

 クラッチ周りが組み立てが終わったら、腰上の組み立てに入ります。

 

 (↑写真)WPC加工がされたJUNのシリンダーです。さすがに加工されているだけあって、シリンダーの
クロスハッチは見えなくなりますね。

 

 (↑写真)ピストンも同じくWPC加工済みです。このピストン良くできているとは思うのですが、ピストン
ピンがえらくキツく、そのままでは上手く入らなかったので、ピストンを暖めて温度差で入れました。
他のキットだと、もっと簡単に入るように思うのですが、WPC加工が効いているのかもしれません。

 

 (↑写真)JUNのビックバルブヘッドの燃焼室です。バルブサイズはIN:25mmOUT:22mmなので
武川のレギュラーヘッドと同じ数値になります。

 

 (↑写真)このヘッドの最大の特徴が、バルブシートにペンタゴンネットが装着されていることです。
このペンタゴンネットのおかげで霧化特性が向上し、一クラス上のトルクを出すことができるらしいです。
その効果については、これからの実走でゆっくり試していきたいと思います。

 
 (↑写真)クリックすると拡大

 途中行程を全部省略して申し訳ないのですが、車体に組み付けたところです。キャブのセッティングは
メーカーサイトの基準値を参考に、MJ#95SJ#38、ニードル上から3段目に設定しました。メーカーサイトに
PE20のセッティングは無かったですが、PE22とPE20のセッティングはよく似ているので、同じ設定にして
います。この設定で普通にエンジンも掛かり、中間域に変な谷も出ていないので、ほぼ正解のようです。

 ちなみに、エンジンが掛かることがあたりまえのように書いていますが、モンキーサイトの管理人という
立場もあり、相当なプレッシャーの元、失敗は許されないという背水の陣でいつも挑んでおります。
何回組んでも、組み上げたエンジンに初めて火を入れるときは、緊張するものです。(^^;

 とりあえず、現状慣らし運転の状態なので、細かいセッティングのツメはこれからですが、200kmぐらい
慣らしをした感じでは、なかなか良い感じがします。現在はスプロケットを変更していないため、4速で
1万回転回って114kmという最高速よりの設定になっており、96ccらしい加速感はありません。ギヤ比を
今のF16×R26からF16×R30に変更すれば、もっと良くなるのは分かっているのですが、スプロケットを
変更するとチェーンの長さが不足するため、チェーン交換も合わせて必要になってきます。慣らし中は
今の設定の方が都合が良いので、もう少し慣らしをしてから交換することにします。

 それと大きく変わったのが、キックの重さです。武川のSステージでは、全体重を掛けてようやくキック
が下りる状態で、いつかキックギヤを破損しないかと、心配していました。しかしJUNの96ccになって
圧縮比が下がったおかげで、すごく楽になりました。これならデコンプなしでも、楽々キック始動できます。

 あと心配していた消音の問題ですが、アイドリング状態を騒音測定したときで、前回より少し大きい
75dB→75.6dBとなりました。そして肝心の5,500回転での測定ですが、これが嬉しい誤算となりました。
(↓写真)

 
 MAX 91.3dB

 排気量が上がったこともあり、以前より絶対に音は大きくなると覚悟していたのですが、騒音に関しては
前の88ccとほぼ同じ数字となりました。この結果に関しては、全く予想しておらず。JUN万歳です。
あとは高回転がどこまで伸びるかですが、1万回転ぐらいまでしっかり回ってくれればそれで十分です。
もう少し慣らしが済んだら、全開域のセッティングに入れるのですが、このところ急に寒くなってきたので
セッティングが終わるのは、しばらく先になるかもしれません。

 そんなところで、今回の更新は終わりとします。では、また次回で。



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