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■ノーマルヘッドのポート加工について

 
 前回、足回りを変更から、しばらく色々とテストで走ってみましたが、足回りのバランスが良くなった分
高回転のノビの悪さが気になります。ノーマルヘッドを流用するライトボアアップキット場合、ある程度
しかたない部分もありますが、4速7,000回転ぐらいで巡行していて、もう少し加速したいときに車体が
思うように前に出てくれません。

 たぶん、今のエンジンの最大トルク発生回転数が7,000回転ぐらいだと思うのですが、最大トルクを
発生してからダラ〜と回って、8,000回転ぐらいで最高出力を発生します。この7,000〜8,000回転の
出力特性が悪く、乗っていてあまり楽しくありません。すでにマフラー、カム、キャブレターと一通り
交換しているので、そろそろノーマルヘッドの限界が見えてきました。

 ノーマルヘッドで高回転を回すなら、50ccの方が良く回ると思うのですが、おそらく88ccの排気量に
対して、バルブ径が小さすぎるのだと思います。平地はまだしも、峠では完全にパワーバンドを外れて
しまって、爽快感がありません。せめて、あと1,000回転だけでも高回転が回ってれれば、ずいぶん違う
のですが・・・。

 対策として、このまま社外ヘッドに載せ替えてしまうのも一つですが、考えてみればノーマルヘッドの
ポート加工って、まともにした経験がないんですよね。掛ける手間の割に変化が少なそうですし
なにより面倒なので、今まで避けていたのですが・・・。(^^;

 ノーマルの雰囲気を残した8インチ仕様というコンセプトを掲げている以上、「避けては通れないだろう」
ということで、今回は重い腰を上げてノーマルヘッドのポート加工をしてみたいと思います。

  細かいヘッドの取り外し方法の説明は、省略させて頂いて、ヘッドを分解したところです。

 

 (↑写真)これが現在の状況ですが、PE20のマニホールドの口径に合わせてポートの入り口付近だけ
削っています。この加工をすると、ポートとマニホールドの取り付け部分の段差が取れるので
低回転のツキはよくなるのですが、これだけでは高回転域の改善につながりません。モンキーの
ノーマルヘッドで、一番問題になるのは、この奥が絞り込まれていることです。加工する前のヘッドを
見て頂けばよくお分かり頂けると思いますが、燃焼室側の吸気バルブのポート径Φ16mmに対して
吸気ポート側は、Φ13〜14mmと大きく絞り込まれています。

 
 (↑写真)加工前の状態

 こうして後から写真で比較すると、ノーマルポートの小ささがよく分かります。ホンダの長年に渡る
製品改良によって、だんだんポートは絞られていったのですが、それに伴って本来の馬力は押さえられて
きました。そんなわけで「ポート加工をして本来の性能を発揮させよう」とよく言われるわけですが
単純に入り口だけ加工しても、真ん中で絞り込まれていては、意味がありません。マニホールド側の口径
Φ22mmからバルブ側のΦ16mmまでの間を、なめらかに絞りながらポートを削っていく必要があります。

 理想のポート形状は、バルブの角度に対してできるだけ流速を落とさず、真っすぐにガスを導ける形が
良いと言れています。ポート加工というのは、このバルブガイド周辺をいかに効率的な形状に加工
できるかに掛かっているわけで、色々とノウハウをお持ちの方も多いかと思います。

 私は、ポート加工の経験が少ないので、あまり派手な加工はできません。それに組み合わせている
パーツとの相性もありますので、今回は必要最低限の加工を行います。

 ポートの削る範囲ですが、バルブガイド側が中心となります。(↓写真)のように黄色く色を付けた部分を
重点的に削っていきます。

 

 反対側は削り過ぎると、低速トルクが無くなる原因となるので、マニホールドとの段差をなめらかに
するだけにとどめます。加工は、バルブを取り外してから、手持ちのリューターで行ったのですが
奥まで綺麗に削るのは、かなり難しかったです。なんせポートが小さすぎて、工具が奥くまで入りません。
リューターに取り付ける刃の全長が、できるだけ長いものでないとバルブガイド周辺が削れません。

 

 (↑写真)今回の加工の為に用意した、先端ビットです。仕事が忙しくてなかなか時間が取れず、削るだけで
2週間も掛かりました。加工後の状態がこちらです。(↓写真)

 

 よくバルブガイドの手前をフィン状に削ると良いと言われますが、今回はそこまで削りませんでした。
写真はIN側のポートですが、OUT側も少しだけ拡大加工をしています。とりあえず、この状態でしばらく
乗って様子を見るつもりです。今回、せっかくバルブを取り外したのでバルブのすり合わせをしてから
組み付けていきます。それで、すり合わせをするには、タコ棒が必要になるのですが、これだけバルブ
の径が小さいと、タコ棒が簡単に手に入りません。

 
 キジマ バルブタコ 定価 3,67円(税込)

 (↑写真)今回、キジマのΦ15のものを用意したのですが、吸気側のバルブには使えましたが、排気側は
小さすぎて、うまく合いませんでした。仕方ないので、巨力な両面テープで貼り付けながら無理矢理
ごまかして加工しました。(^^;

 そして元通りバルブを組み付けます。作業手順については、省略しますが、注意点を2つほど。
ノーマルのバルブスプリングは、不等ピッチになっているので、上下の向きがあります。意外と書いて
いないサイトが多いように思うのですが、ピッチが広い方が上側(ロッカーアーム側)にきます。

 

 (↑写真)片側だけバルブスプリングの向きを反対にして並べた状態です。このように、バルブスプリングの
ピッチには、上下で若干の違いがあります。 ノーマルスプリングの場合、緑色の塗料が塗られている側の
ピッチが広くなっています。(↓写真)

 

 この上下の向きは、意味があってこのような作りとなっていますので、組み付ける際にはご注意ください。 
それと分解したバルブスプリング周りの部品を再利用する場合は、IN側、OUT側で別の小袋に分けて
保管してください。これをしていないと、せっかくタペット調整をしても、後でどんどんずれていきます。
かく言う私が、まさにこの状態で、今回ポートを削るのに2週間も掛けてしまった為、部品が混ざって
しまいました。たかだか2バルブだから、大丈夫だと保管方法の手を抜いた結果ですが、部品が
馴染むまで後の調整が大変になりますので、私のようにならないよう、お気を付けください。

 この後、とりあえず部品を組み付け、週末に試走しながらじっくり調整しようと思っていたところ、前日に
モトラさんからツーリングのお誘いを受けました。タペット調整がまだったので、急いで朝から調整を
開始したのですが、案の定タペットの調整に手間取りました。(^^;
やっとエンジンが掛かったので、急いで出発すると、今度は中間域から上が回りません・・・・。(;;

 症状として明らかにガスが薄い感じで、トルクがありません。ただ、一部だけ薄いというのではなく
中間域から上が全体的に薄いので、セッティングが合えば良くなりそうな感じはするのですが
今からMJを交換していては、ツーリングの待ち合わせに間に合いません。どうしようもないので
今回のツーリングは、キャンセルのさせて頂くことになりました。モトラさん申し訳ございませんでした。

 その後、MJを82番に変更すると綺麗に中間域から上も回るようになりました。ポートを削る前は
中間域に少し谷があったので、多少薄めのセッティングになるのを覚悟して78番に設定していたの
ですが、ポート加工をすることでバランスが取れたようです。

 最大トルクの発生回転数も、狙い通り1,000回転アップの8,000回転ちょっとまで上がりました。
最高出力も当然上がっていると思いますが、なにより4,000〜8,000回転のつながりが、すばらしく良く
なりました。8,000回転を過ぎた後も急激にトルクが落ちることがなくなったので、最高速も向上して
いるようです 。

 ただ、今のギヤ比だと空気抵抗に負けている感じで、4速9,000回転ぐらいで頭打ちになります。
試してはいませんが、ギヤ比を見直せば9,500回転ぐらいまでは、ノビそうな感じです。でも実際に
実用で使えるのは8,500回転ぐらいまでですね。やはりノーマルヘッドで、100km/hオーバーは厳しそうです。
社外ヘッドだと8,000回転から上が、もう一段グワっと盛り上がるのですが、ノーマルヘッドにそれは
ありません。

 もう少し頑張ってポートを削れば、あと500回転ぐらいは上乗せできるかもしれませんが、そこまでいくと
バルブスプリングの強化や足回りが問題になります。それにもう一つ大きな問題があって、ポート加工後は
確実に排気音が大きくなりました。アイドリング状態を騒音測定したときは、前回とほぼ同じ75dB前後を
示すのですが、5,500回転まで回すと、さすがに音が変わります。(↓写真)

 
 MAX 91.2dB

 前回の測定が89dBだったので、2.2dBアップの差は大きいです。2002年以降の騒音規制だと通ら
ない数字です。まぁ、このモンキーの製造年は、92年式なので、95dB以下なら問題ありません。
それに厳密に言うと、最高出力発生回転数の半分の回転数で測定するので、測定回転数はもう少し
下がり、4,700回転ぐらいになります。排ガス規制は知りませんが、騒音規制だけなら一応通ります。
でも騒音規制を考えながらだと、ここから先の改造は、だんだ難しくなってきますね。

 それで、11月上旬にノリさんと県内の近場へツーリングに行ってきました。ノリさんのゴリラは
100ccオーバーなので、絶対的にパワーでは負けるのですが、平地では問題なく付いていけました。
ただ、峠を走るとそのパワーの差は歴然で、どうしても差がつきます。それに足回りもリヤ周りの
変更だけでは、限界のようで、バンク状態でパワーを掛けると、フロントから逃げていきます。(^^;

 感覚的に後ろのタイヤだけで走っているような状態で、とにかく気持ち悪いです。ポートを削る前は
こんな風に思わなかったのですが、やはり一つ変わると色々バランスが崩れるようです。こうなると
デイトナのインナーフォークキットとか、ちょっと心惹かれるものがありますが、性能的にはフォークを
丸替えするのが一番なので、後のことを考えると悩んでしまいます。

 これから寒い時期になってくるので、足回りを変えるとなると12月上旬から3月末かになると思いますが
今の仕事の感じだと、3月までは大きな作業は難しいかもしれません。とりあえず年内は、細かい見直しを
中心に作業していこうかと考えています。ではまた次回で。



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