モンキーファイルズのTOP画面へ
 バイク(モンキー)の改造や整備を楽しもう

 

 

TOP> 本日の反省> 2008年の活動記録> シリンダーヘッドの修理

■シリンダーヘッドの修理


 私のモンキーですが、6月の上旬にツーリングへ行った一週間後、突然エンジンが掛からなく
なりました。(;;

 キックをしても圧縮の手応えがなく、まるでクラッチが滑っているんじゃないかと思うぐらいキックが
軽くなり、全くエンジンが掛かる気配がしません。どうも圧縮が抜けているような感じだったので
クラッチの状態を確認する為に押し掛けしてみたのですが、とりあえずエンジンは回っているようです。

 となるとヘッドかピストンの圧縮抜けということになるのですが、どうもヘッドが怪しい気がします。
実はこのエンジン、最近軽いオイル下がりのような症状が出て気になっていたのですが、どうやら
燃焼時にオイルが混ざった影響で不完全燃焼を起こし、付着したカーボンがバルブシートに
噛み込んで圧縮が抜けているのかもしれません 。

  押し掛けで上手くエンジンが掛かれば、高回転を維持して回すことで自然に治る可能性もありますが
それでは完全解決にはならないので、ヘッドの状態を確認する為にヘッドを降ろすことにしました。

 

 途中作業は省略しますが、ヘッド周りを分解したところです。(↑写真)
今回は面倒だったので、フロントフェンダーを外してヘッド周りのスペースを確保し、エンジンは
積んだまま、ヘッドだけ降ろしています。

 

 降ろしたヘッドの状態を見ると、バルブの周りにカーボンがびっしりと付着しています。(↑写真)
特に排気バルブの状態が悪く、試しにガソリンを注いでみると、排気ポート側からダラダラと
ガソリンが漏れてきます。(;;

 これだけ漏れれば、圧縮が無くなって当然ですが、さてどうしたものかと。安上がりに直すなら、
バルブステムシールの交換とバルブのすり合わせをすればなんとかなりそうですが、あまり
ヘッドの状態が良くありません。

 このヘッドを使い始めてもう10年近くになるのですが、さすがにカムの軸受けの部分などのキズなどが
目立つようになってきました。最近、MOTULの高いオイルを使っているのは、その辺の延命の意味も
あります。それにきちんと直すとなると、バルブ交換、バルブガイド交換、バルブステムシールの交換
バルブシートカット、 バルブのすり合わせが必要ですから、そこまで手間とお金を掛けるぐらいなら
新品のヘッドを買った方が安いという思いもあります。

 私が使っているこのヘッドは、キタコのスタンダードヘッドですが、新品を買っても25,000円
ぐらいです。 武川のRステージぐらい高いヘッドを使っているのなら、まぁ修理して使おうかという
気にもなりますが、このヘッドにあまり手を掛けるのもどうかと・・・。

 それに武川やJUNのヘッドに交換しておけば、今後ピストンの選択の幅が増えます。今のキタコの
ヘッドはバルブの挟み角の問題で、そのまま使えるピストンがほとんどありません。こう考えると
もうヘッド交換するしかないのですが、色々考えた結果、今回はあえてこのヘッドを修理することに
しました。

 で、「何故そんな面倒なことを」という話になりますが、単純に自分の勉強の為です。もっとエンジンに
ついて知りたいという思いだけです。遠回りな選択だと思いますが、このヘッドを使えるところまで
使ってみて、それでもダメになったらヘッド交換することにします。

  あと、以前からちょっと試してみたいパーツがあって、それを使うとセッティングがどう変化するか
知りたかったので、この機会に思い切って買ってみました。(↓写真)

 
  キタコ スーパーウエストバルブSET 定価 10,290円(税込)

 これが私の試してみたかったキタコのウエストバルブです。キタコのスタンダードヘッドのバルブステムの
直径はφ5.5mmですが、スーパーウエストバルブは、IN側φ4.0mm、OUT側φ4.5mmとネック部分を
絞り込んでいます。 (↓写真)

 

 このネック分の絞り込みによって吸気抵抗が軽減され、従来より出力が上がるらしく、一体どの
程度変化するものなのかと、とても興味があります。それとバルブの表面が従来のものより
フラットになるので、高圧縮化が期待できます。(↓写真)

 

 今までのバルブとの比較です。左側が新しいバルブですが、このように表面は真っ平らになります。
確かに圧縮が上がるのは分かるのですが、これだけで体感できるほどの変化があるかは疑問です。

 あと、バルブの交換と合わせて、バルブシートカットやバルブガイドの交換をどうするかですが
各部を測定してみたところ、とりあえず規定値には収まっていました。だだ、排気側のバルブガイドは
かなり消耗が進んでいて、規定値ギリギリです。長い目で見ればバルブガイドも打ち替えた方が
いいですが、今回はバルブステムシールだけ交換して、その他はそのまま使い回すことにしました。

 

 (↑写真)古いバルブを取り外して、新しいバルブステムに少しオイルを垂らしてから、バルブに
コンパウンドを付けてすり合わせを行います。よくバルブのすり合わせは、押しつけて回すのではなく
叩きながら、少しずつ回して当たる場所を変えていくように言われますが、この作業、地味に大変なので
私は嫌いです。特に今回は排気バルブ側の状態が悪く、本当はバルブシートカットをした方がいい
ぐらいだったのですが、根気強く手作業で仕上げました。

 途中バルブの当たり面の状態を確認しながら作業すること、排気側だけで40分・・・。つ、疲れました。
バルブシートの状態が悪かったので覚悟していましたが、モンキーの2バルブでこれですから、4気筒の
16バルブなんかだと気が遠くなる作業です。それだけ時間を掛けて、仕上げた排気バルブですが
当たり幅を確認すると、こちらも規定値ギリギリの状態・・・。(;;

 あとは残っている吸気バルブ側ですが、こちらは比較的状態が良かったので20分ぐらいで終わりました。

 

 (↑写真)とりあえずバルブを入れただけの状態ですが、パっと見、高そうな雰囲気になりました。(^^
これからバルブスプリングを組み付けていくわけですが、ついでに軽く燃焼室を磨いています。

 

 ダメになっていた、バルブステムシールを新品に交換します。写真中央の小さなゴムの部品が
そうなのですが、これだけで定価420円(税込)です。滅多に交換するものではないですが、ちょっと
高いですね。ちなみにキタコのスタンダードヘッドは、排気バルブ側だけバルブステムシールが
入っています。直径φ4mmのバルブステムを採用しているヘッドの場合、IN、OUT両方とも入って
いるのですが、φ5.5mmの場合、IN側は必要がないようです。

 

 途中作業を省略して申し訳ないのですが、一通り組み終わった状態です。(↑写真)
この写真ではカムも組み付けてしまっていますが、その前にバルブのすり合わせが上手くいっているか
ガソリンをヘッドに入れて漏れがないか念のために確認しています。ヘッドの分解、組み立て作業は
いずれ解説ページを作りますので、ご了承ください。

 ここまで出来れば後は組むだけです。組み立てに必要案ガスケット類を揃え、合わせ面を
オイルストーンで掃除してから組み立てていきます。ついでなので、今まで気になっていた部分も
直してしまいます。

 

 (↑写真)カムチェーンガイドローラーを支えるボルトの根元からオイルが滲んでいたので、新品の
ワッシャーに交換します。この部品は何度か使い回しても大丈夫ですが、今まで散々使い回して
いたので、さすがに変形していました。この部分は3〜4回が再利用の限界だと思います。

 それとシリンダーヘッドのガスケットですが、材質がメタルタイプなので、今回は実験も兼ねて
使い回しをすることにしました。メタルタイプの場合、一般的に2〜3回は大丈夫とは言いますが
実際どうなんでしょう? まぁ、ダメだったらそのときはそれで、新品に交換することにします。

 あとシリンダーヘッドの固定ボルトですが、これも使ってみたい製品があったので、新しく用意
しました。(↓写真)

 
  キタコ キャップナット&ワッシャSET 定価 787円(税込)

 キタコのロングタイプのキャップナットです。普通のナットに比べて、ネジ山が多く掛かるので
安定したトルク管理が期待できます。別にそこまでしても、体感できる違いは、ないかもしれませんが
気持ちの問題ですね。

 で、途中行程を省略しまくって申し訳ないのですが、いきなりほぼ組み立て完了です。(↓写真)

 

 このキタコのロングキャップナットですが、こうして取り付けるとさすがに長いですね。ノーマルの
足回りだと、ヘッドがフロントフェンダーに接触しそうな感じです。それと肝心のトルク管理ですが
思ったよりこれはいいですね。従来のナットと比べて、安定してトルクが掛かるので締め付け
しやすいです。結構お勧めかもしれません。

 
  ※クリックすると拡大

 とりあえずこれでほぼ完成しました。フロントフェンダーが外れたままになっていますが、今回
せっかく外したので、後で塗装することにします。当分はこのままになるのですが、正直カッコ悪い
ですね。フェンダーが仕上がるまでは、遠出することはきっとないでしょう。

 それとエンジンを始動する前に、キャブセッティングを変更しています。今まではMJ195番、SJ20番
ニードル上から3段目+0.2mmに設定していたのですが、今回バルブを変更したことで、圧縮と流速が
上がるので、若干ガスが濃くなると予想し、MJ190番、SJ17.5番、ニードル上から3段目と全体的に
薄めのセッティングへ変更しました。

 では、エンジンの始動です。組み上がったエンジンに火を入れるときは、何度やっても緊張する
一瞬です。エンジンは、キック5回ぐらいであっさり掛かり、しばらくアイドリングさせていたのですが
なかなか速そうなアイドリング音です。試運転で近所を軽く一回りしてみましたが、セッティングの読みは
ほぼ当たったようで、気になる谷もなくスムーズな吹け上がりです。各部の増し締めがまだなので
高回転は試していませんが、この感じだと上も期待できそうです。

 長距離のテストは、フロントフェンダーの塗装が完成してからになりますが、なかなか面白そうな
エンジンになったので、テストが楽しみです。バルブ交換によるセッティングや、出力特性の変化に
ついて、結果が出たらまた書くことにします。

 では、また次回で。



Copyright By ZZQ. All Rights Reserved