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銅ワッシャーの謎を検証する
■銅ワッシャーの謎を検証する
先週掲示板にこのような質問があったので、モンキーの銅ワッシャーの謎について
検証してみました。
「シリンダーヘッドカバーを正面から見て左下だけ銅ワッシャーを使いますね。
そこだけ銅ワッシャーを使わなければならない理由が解からないことと、
この銅ワッシャーの位置が他の場所だったら何か問題があるのでしょうか? 」
これはモンキーのヘッドを分解したことがある方なら、一度は疑問に感じていることだと思います。
知らない方に少し説明しますと、モンキーのヘッドは4個のナットとワッシャーで固定されて
いるのですが、正面から見て左下だけ銅のワッシャーが使われています。残りの3カ所は
全てアルミのワッシャーが使われています。

このように左下だけ銅ワッシャーが使われています。
この謎について、私も過去に調べたことがあるのですが、どのHPもハッキリした内容は書いて
いませんでした。
色々調べて、最終的に「これが正しいのでは?」と思ったのが、熱膨張説です。
一説によるとモンキーのヘッドの左下側には、オイルラインが通っているので、この影響で左下
だけ温度が高くなるそうです。
そこで、全部同じアルミワッシャーにしてしまうと、温度差で熱膨張に差が出てヘッドの締め付け
トルクにばらつきが出てしまうそうです。それをおさえる為、左下だけ熱膨張率がアルミに
比べて低い、銅ワッシャーを使っているとのことでした。
しかし、この説明は一見筋が通っているように感じますが、「左下だけオイルラインが通って
いるのだから、そこだけ温度が低くなってもいいのでは?」と、私は疑問に思っていました。
そこで今回、実際にデジタル温度計を使ってヘッド温度を測定してみました。

このように温度を測定します。
エンジンを暖気させてから、アイドリング状態で測定したのですが、計ってみてすぐに気付いた
のが、ものすごく温度の変化が激しいということです。
少し風が吹いただけで、10度近く温度が変動します。さすが空冷エンジンだけはあります。
アイドリング状態だと50〜70度ぐらいの幅で変化します。
しかたないので、一番温度が高い時と低いときの差を測定してみることにしました。

上記のように番号を付けた4カ所の温度を比較してみます。
下記のように結果になりました。
■測定箇所による温度の変化状況
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測定箇所
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温 度 変 化
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@
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52〜68℃
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A
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55〜71℃
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B
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45〜58℃
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C
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41〜56℃
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この結果を見て頂ければ分かると思いますが、相当な温度差があります。
表の色分けをした部分が、一番温度の高かった部分と低い部分です。この数字を元に
温度変化の高い順に番号を並べてみると
高い A >@ >B >C 低い
このような感じになります。これによると、確かに左下側は温度が高くなる傾向があるようです。
しかし、右側がこれほど温度が低くなるとは予想していませんでした。
オイルはヘッドの左から右側へと流れるの構造になっているのですが、この間にヘッドのフィンに
よってかなり冷却されているようです。これはアイドリング状態での話ですので、走行状態では
もっと変化が大きくなると思います。
どうも空冷エンジンでは、ヘッド周りの温度にかなりバラツキがあるようです。この結果を見ると
いくら左下だけ銅ワッシャーを使っても、熱膨張の差は調整しきれないように感じます。
それに左右でかなり温度差がありますので、理想を言えば右側の材質も調整した方がいいような
気もします。この辺はコストとのバランスなのでしょうが、 もしかしたら設計の時点でホンダは
計算に入れているのかもしれませんね。
あと一つ思ったのが、ヘッドからオイルクーラーを取ってしまうと、左右の温度差を
広げてしまう気がします。実際に測定はしていませんが、そう考えるとオイルクーラーは
クランクケース側から取った方がいいのかもしれませんね。
今回はこれで終了とします。この結果はあくまで私の場合ですので、本当にこれで
正しいかは保証致しかねます。最終的にはホンダでないと分かりませんのでご了承下さい。
■後書き
この検証結果を見た、知り合いのHPの方より「単なるオイルラインへのオイル漏れ防止では?」
とのご指摘を頂きました。 銅ワッシャーはオイルラインなどのオイル漏れ防止によく使われている
そうです。実際に銅ワッシャーの位置を変更してみたそうですが、左下以外に付けてしまうと
オイル漏れを起こしてしてしまうそうです。
その話を聞いて、どうしても気になったので、ダメもとでホンダに問い合わせてみました。
そうしたらなんと!
本当に回答を頂けました!(^^
ホンダからの回答内容はこちら。
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