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■ハイオクとレギュラーの違いについて

 ガソリンには、レギュラーとハイオクの二種類があります。よくこの違いについて論争されるのですが
大筋の意見は同じでも、なぜか細かい部分で、意見が分かれることがあります。(通称ハイオク論争)

 よくレギュラー仕様のエンジンにハイオクを使うと、エンジンに悪いと言われますが、この表現については
経験豊富なショップでも意見が分かれます。あまり「これが正解だ!」と書いてしまうと、新たな論争を
生みそうで、ちょっと恐い部分があるので、私の考えを入れつつ、適当にぼやかして書きたいと
思います。(^^

 エンジンの圧縮・爆発工程において、スパークプラグに火花を飛ばす前に、混合気へ火が点いてしまう
異常燃焼症状があり、一般的にそれをノッキングと呼んでいます。

 このノッキングの起こりにくさ=(アンチノック性)を数値で表したものに、オクタン価というものがあり。
ハイオクとレギュラーの大きな違いは、そのオクタン価にあるのですが、ハイオクの方がオクタン価が高く
発火点が高くなります。オクタン価は、国によっても違いがあり、日本の場合以下のように設定されています。

 ・レギュラーガソリン オクタン価 「90〜91」
 ・ハイオクガソリン  オクタン価 「98〜100」

 難しいことを書くと、ガソリン中に含まれる水素(飽和炭化水素)の量が違うそうで、これについては私も
詳しくは知りません。(化学に詳しい方、教えてください)

 つまりハイオクとは、内燃機関で燃やしたときに安定して燃える性能(ノッキングの起こしにくさ)を高めた
もので、オクタン価が高いと、発火点が高くなります。オクタン価を上げる方法は色々あって触媒をつかって
飽和炭化水素の比率高めたり、混ぜ物をしたり色々されているようです。昔はオクタン価を上げる為に
鉛を混ぜていた時代もありましたが、1975年以降法律によって無鉛化が進められ、現在は使用されて
いません。

 ハイオク車にレギュラーを入れるとよくないと言われるのは、ハイオク車は高圧縮で点火時期も早めに
設定されている為、ハイオクでないと、安定した燃焼が期待できないからです。
通常、圧縮を高めるほど馬力は出しやすくなるのですが、それに伴いノッキングの危険性も高まります。
さらに、燃焼のエネルギーをピストンに効率的に伝える、理想の点火時期というものがあり、これに
近づけるほどノッキングが発生しやすくなります。言い換えれば、
「ハイオク車は、馬力を追求した結果、ハイオクが必要になった」とも言えます。

 このため、ハイオク仕様の車にレギュラーを入れてしまうと、ノッキング(異常燃焼)を起こすことがあります。ノッキングの威力は恐ろしく、エンジンに致命的なダメージを与えます。

 最近の車は電子制御されており、ノッキングセンサーが付いているので、エンジンが故障するようなことは
ないと思いますが、本来の性能が発揮できないのは確かです。しかし、オートバイの場合はそうもいきません。
コストとスペースの問題があるので、オートバイで本格的な電子制御を採用している車種は少なく、たとえ
電子制御でもノッキングセンサーまで搭載していることはまずないと思います。
(元々オートバイで、ハイオク指定の車種は少ないと思いますが・・・。)

 ノッキングの限界点は、点火時期や燃焼室の形状、バルブタイミングなど、様々な要因によっても変化
しますが、一般的に自然吸気エンジンの場合、圧縮比が11を超えると、ノッキングの危険性が高まって
くるようです。

 ちなみに、モンキー系のボアアップキットの場合、ほとんどの製品で圧縮比が11以上に設定されています。
この為、大半のメーカーがノッキング対策として、ハイオクを指定しています。

 まぁ、細かいことを言えば、有効圧縮という考え方があって、実際の圧縮圧力はカムの特性にも左右
されるので、圧縮比が11を超えたから絶対ハイオクにしないといけないとか、そういうわけではありません。
この辺の話は、トータルバランスの話にもなってきて複雑なので、ここでは省略します。

 話が少し脱線しましたが、つまりハイオク車に値段が安いからとレギュラーを入れるのは、リスクが高く
お奨めできません。メーカー指定通り「必ず、ハイオクを入れましょう」という話になりますがこの部分に
ついては、だいたい皆、同意見になります。

 逆にレギュラー車にハイオクを入れた場合ですが、ここからが意見の分かれる内容になります。
 よく「ハイオクは燃えにくいので、レギュラー車に入れるとよくない」と言われますが、この表現は
正確でないと、私は考えます。

 と言うのも、一般に販売されているハイオクガソリンは、単にオクタン価だけを高めているわけではなく
様々な成分を混合して作られています。ガソリンに求められる条件には低温化でも安定して気化することや、
ヘッドや燃焼室を汚さない、バルブやガスケットを痛めない、優れた環境性能など、様々な性能が求められ
ます。ハイオクは別名プレミアムガソリンとも呼ばれ、オクタン価以外にも優れた部分があるので、一概に
全部悪いとは言えないと思います。

 またハイオクの方が若干燃焼カロリーも大きくなるようで、これは色々と混ぜられている添加剤の影響も
あるのかもしれませんが、ハイオクを入れると燃費が若干上がったという話もあります。実際私もハイオクを
使って最高燃費の記録を更新したことがありますので、あながち間違いではないように思います。ただし
微々たる違いですから、それでパワーが出るとかそういうものではないです。

 また「ハイオク」=「燃えにくい」と表現されますのが、私はこの書き方にも疑問を感じます。
ガソリンの安定した気化のためには、引火点(空気と可燃性の混合物を作ることの出来る温度)が低い
ことが求められるのですが、ハイオクは、この引火点が高いわけではないので、常温で発火点(自然燃焼が始まる温度)以上の熱を与えれば、簡単に燃えます。

 この引火点発火点の違いを混同されている方が多いのですが、ガソリンは、液面から蒸発する
可燃性蒸気と空気が混合したガスが燃えるのであって、液体状態のまま燃えるわけではありません。
ガソリンの発火点は300〜400℃と測定環境によってかなり幅があります。これは聞いた話ですが
ハイオクはレギュラーに比べて20℃前後発火点が高くなるそうで、大きな差があるわけではありません。
基本的にハイオクは、よく燃えます。燃えにくいと言い切ってしまうのは、いかがなものかと・・・。

 ではレギュラー仕様のエンジンにハイオクを入れると、何が問題になるか。私が思うに
レギュラー仕様車は、当然レギュラーガソリンに合わせて圧縮比や点火時期を設定しています。
このような車種にハイオクを入れてしまうと、本来の設計と異なったタイミングで燃えてしまうことに
なります。これは車種によって相性があるので、一概には言えないのですが、本来のハイオクの特性を
生かせない可能性があります。特にバイクの場合、自動車のような複雑な電子制御を行っていないので
なおさらです。

 それとハイオクの方がカーボンの付着が多いなどと言われますが、これはオクタン価を上げる為に
炭素系の添加剤を多く入れているハイオクの場合、問題になった時代があったようです。
ハイオクも時代の流れとともに進化しており、いつまでもこの問題を抱えているわけではありません。
メーカー側も洗浄剤を入れて対策しているだけではなく、製造方法自体も変わってきているので
今や、カーボンの問題については、神経質に考えなくてもいいと思います。

 実際、私もハイオクを入れ続けたエンジンを分解して比較したことがあるのですが、ピストンやヘッド周りの
カーボンの付着は、レギュラーに比べると確かに少なくなっていました。ただ、酷くこびり付いたカーボンが
取れるかと言われると、そこまでの洗浄力はないように思います。

 それにカーボンの付着は、その人の乗り方に左右される部分が大きく、カーボンを焼き切るには
ある程度の温度が必要です。普段町乗りしかせず、エンジンをあまり回さないような乗り方をされる方だと
レギュラー、ハイオクを問わず、カーボンが付着してもあたりまえです。

 しかし、「ハイオクを入れると、カーボンの付着が多くなる」と言われる方がいるのも事実で
これは、エンジンとの相性問題が大きいのだと思います。モンキー系のボアアップキットでもJUNのような
ノーマルエンジンのフィーリングを重視したメーカーの場合、カーボンの付着が多くなる傾向があるようです。
まぁ、個人的な意見ですが、モンキーの場合、改造部品も抱負で点火時期を進めるのも思いのままですし
ボアアップしている車体なら、入れた方が安心だと思います。

 ちなみに、ハイオクだからと、なんでも点火時期を進めればいい、というわけではありません。
エンジンにとっての理想の点火時期は、上死点後、約10〜12度で気筒内の圧力が最大に
なるように設定すると良いと言われます。ガソリンの燃焼には、かならずタイムラグが存在する為
上死点前から点火を始めます。理想の点火タイミングは、計算によって出せるのですが、実際にその
タイミングで燃やすと、ノッキングを起こしてしまうことが多く、計算通りにガソリンは燃えてくれません。

 昔、エンジンの燃焼について書かれた本で読んだことがあるのですが、現在のガソリンエンジンの
構造では、低〜中間域で、理想の点火タイミングに設定することは難しいようです。
たとえば、理想の点火タイミングをグラフで表した場合、単純に考えればエンジンの回転数に合わせて
直線状に変化する線になるはずですが、実際の低〜中間域のノッキング限界は、理想値よりも
下になります。デイトナやキタコのカタログに書いてある、デジタルCDIの点火マップを見てもらえれば
分かると思いますが、どちらも3000〜4000回転ぐらいまでは、ほとんど進角していません。それだけ
エンジンの点火時期というのは、難しいものです。

  結局のところ、レギュラー車にハイオクを入れたらどうなるのかですが、これは、「車種によって
相性があるので、入れてみないと分からない」
これが答えではないでしょうか。

 なんとも曖昧な結論で申し訳ないのですが、メーカーもレギュラー車にハイオクを入れた時の影響について
そんなに費用を掛けて調べているわけでもなく、誰もデーターを持っていないのが現状だと思います。
メーカーの回答が、指定のガソリンを使ってくださいというのも、しかたないことでしょう。

 元々答えが一つでない内容ですから、ハイオクを入れたから、エンジンを大切にしているとか
馬力が上がるとかではなく。実際に自分で試してみて、「よければ使う」、「ダメなら止める」それだけの
ことだと思います。


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