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■モンキーのボアアップついて

 ここでは、これからモンキーのボアアップを考えられている方向けに、ボアアップキットの
選び方や、それによって一体何が変わるのかなどについて解説しています。ボアアップする為に
まず知っておかなければならない、基本的なことを中心に書いていますので、初めて挑まれる方の
少しでも参考になれば幸いです。

◎ボアアップとは何か?

 ボアアップとはシリンダーボア(径)とピストンを大きくし、排気量を増加させることを言います。
排気量が増えることによって、シリンダーで燃焼するガソリンの量が増えるので、より大きな出力を
得ることができます。

 50ccのノーマルピストンの径は39mmですが、88ccまでボアアップした場合、直径52mmと1.3倍にも
拡大されることになります。さらにロングストロークのクランクを組み込むことで106ccや124ccと元の
2倍以上の排気量にすることも可能です。

 ボアアップすることで得られるメリットやデメリットについて書くと下記のようになります。

◇メリット

 ・排気量が増え出力が増加することにより、加速性能や最高速の向上。
 ・原付二種登録をすることによって、2段階右折や30kmの速度制限から解放される。
 ・人とは違った自分だけの車体を持つことができる。

◇デメリット

 ・原付二種登録をすると、小型自動二輪以上の免許が必要になる。
    詳細はこちら →モンキーの原付二種登録について
 ・原付二種になるので、毎年支払う税金が上がってしまう。
 ・出力が増えることで足回りなどトータルのバランスが崩れ、扱いにくくなる。
 ・各部の負担が増え、オイルなどこまめな管理が必要になる。
 ・季節の変化に合わせて、キャブのセッティングが必要になる。
 ・パワーフィルターに交換してしまうと、雨の日に気軽に乗れなくなる。
 ・排気音が大きくなってしまい、夜中など近所に気を遣うようになる。

 メーカーが長年研究して販売してるだけあってノーマルのモンキーは、絶妙のバランスで
完成されています。改造というものは元々ノーマル車が持っていた、扱いやすさなどの自由を
奪います。一つ崩れたバランスを取り戻す為には、大変な労力を必要とします。

◎ボアアップキットの選び方

 一口にボアアップと言っても色々方法があります。一般的には社外品のボアアップキットを
購入する方が多いとは思いますが、ホンダのカブ系エンジンは色々な排気量の製品が
発売されているので、知識があれば純正流用で改造することも可能です。

 社外品で組む場合ですが、ボアアップキットは各社様々なメーカーから発売されています。
有名どころを上げると、武川、デイトナ、キタコの3社が特に有名です。

 購入にあたりまず注意しないといけないことが、モンキーの年式の確認です。モンキーは、
古くから続いているロングセラー製品です。何度もモデルチェンジを繰り返して現在まで
続いているので、年式が変わるとパーツの適合が変わってきます。
ボアアップキットも年式によって専用設計になっているので、年式を調べることが、とても重要に
なります。(詳しくは下記で書いています)

 年式によるエンジンの違いについて  フレームナンバーから調べる年式対応表

 エンジンの年式が判明したら、対応するボアアップキットを選ぶことになるのですが
ボアアップキットには、大きく分けてノーマルのヘッドを使い回すライトボアアップキットと
呼ばれるタイプと、シリンダーヘッドから丸ごと交換するタイプの2種類に分かれます。

 それぞれの特徴ですが、ライトボアアップキットは、ノーマルのヘッドを使い回すので
最初の初期費用が少なくなります。75ccぐらいまでのキットであればノーマルの
キャブレターでも対応できたりするので大変手軽です。

 出せる馬力もノーマルの2倍程度とそれほど高くないので、ノーマルクラッチを使った
強化クラッチでも十分対応できます。マフラーを交換したら次にキャブやカムの交換と
段階的に改造していくことができます。

 ただし、チューニングのレベルが進むにつれ、ノーマルヘッドが足かせになってきます。
ならばヘッドの交換もといきたいところですが、ライトボアアップキットのピストンは、
ノーマルヘッドに対応させるため圧縮比を低く設定しています。その為、社外品のヘッドに
載せ替えると圧縮が下がってしまい、かえって馬力が落ちることになります。

 結局さらなる上を目指す為には、全てを買い直さなければならなくなります。
最初の敷居は低いですが、目指せる上限も限られている。これがライトボアアップキットです。

 ヘッドから丸ごと交換するボアアップキットの場合、専用設計のヘッドに合わせカムも
専用品となり、キャブレターも合わせて交換することになります。当然マフラーも純正では
対応できず交換になります。さらに88cc以上の排気量になるとノーマルの4倍以上の
馬力が出るため、ノーマルを使い回すような強化クラッチでは容量が足りなくなることが
あります。できれば二次側にクラッチを移動させるような、高性能なクラッチの装着が望まれます。
その他、エンジンの耐久性を確保するために、オイルポンプの交換やオイルクーラーの装着が
推奨されています。

 さらに、ここまでエンジンを仕上げてしまうと、当然出せる速度も尋常ではありません。
88cc以上のキットになると、最高速が100kmを超えてきます。元々60kmぐらいまでの
走行しか考えられていないモンキーの車体では大変危険です。バランスを取るために、
フロントフォークやスイングアームの交換などと、色々と足回りを改造していくと
軽く新車のモンキーがもう一台購入できるぐらいの金額になります。

 ヘッドごと交換するボアアップキットの場合、とりあえず走れる状態になるだけで、
上記のようにかなりまとまった金額が必要となります。ただ、それだけに見返りも大きく
ライトボアアップではありえない、胸の空くような加速を味わうことができます。

 それともう一つ、ボアアップキット選びで大切なことがあります。パーツ同士には必ず
相性というものがあり、なんでも付くわけではありません。ヘタな組み合わせをしてしまうと
セッティングが出ないということにもなるので、十分注意して下さい。(詳しくは下記で書いています)

 パーツ選びについて

◎ボアアップキットの組み付けについて

 よく「ボアアップキットの組み付けは簡単ですか?」、「私でもできますか?」などといった
質問を受けますが、私の考えとしては、その質問をされる方はプロに任せた方がいいと
思います。ボアアップするためには様々な特殊工具や経験が必要となってきます。
一人でろくに勉強もせず初めてエンジンを組んで、完璧に組めるほど甘いものではありません。

「とにかく自分でエンジンを組んでみたい」、「たとえ失敗することになっても、そのトラブルを
楽しみながら解決できる」と思える方でないと、なかなか難しいと思います。

 たった一回のエンジン分解の為に、中途半端に工賃を節約して自分で改造するぐらいなら
素直にプロにお願いした方が安くて確実です。

 今でこそ普通に組めるようになりましたが、かく言う私も最初のころは失敗の連続でした。
エンジンを分解した回数なんて、数えきれません。このころはネットの情報サイトもほとんどなく
身近に教えてもらえるような人もいなかったので本当に苦労しました。

 現在では色々と資料が揃っているので、私が初めて挑戦したときに比べればずいぶんと
楽になっていると思います。これからチャレンジしたいと思った場合、まず何を読めば
良いかですが、基本的な単語やエンジンの構造が分からないことには無理なので、まずは
バイクの整備の入門書を一冊用意して下さい。

 これでバイクの基本について勉強したら、次にサービスマニュアルを読みます。
サービスマニュアルは、エンジンの分解手順について分かっている人向けに要点だけ解説
されているので、最初はこれだけでは無理だと思います。

 そこでキタコの発売している「ボアアップキットの組み付け方虎の巻き」をお勧めします。
腰上編、腰下編に分かれていますので、必要なものを用意して下さい。このキタコの
マニュアルはプラモデル感覚で詳しく解説してくれているので、初心者の方には
心強い味方になると思います。

 ただし、キタコのマニュアルも完璧ではありません。今更ながら私もこのマニュアルを
読んでみたのですが、どうしても文章では表せない微妙な部分があったり、書いていない
こともあります。当サイトでもできるだけ、その辺のことを詳しく書くようにしていますが
全部は無理です。まずは自分で経験してみることが大切ですので、じっくり楽しみながら
作業をしてください。

 分解するときのコツというかアドバイスになりますが、何故この部品はここについて
いるのか、その役割について常に考えながら作業をすると理解が早いと思います。
最初は分からない事だらけだと思いますが、常に考えながら作業していれば、いつか
分かるようになります。時間は掛かりますが、この心掛けを忘れないで下さい。

◎後書き「大排気量=楽しい?」

 今のモンキー業界は排気量主導主義のようなところがあり、とにかく排気量が多ければ
それでいいみたいな考え方があります。

 「高出力=短命」

 それでも構わないのでしたら、そういう仕様もありですが、多くの一般ユーザーは
それを望んでいません。

 これは私の個人的な考えになりますが、一部のメーカーは壊れることを望んでいるのでは
ないかと思うところもあります。特にノーマルクランクを使った88cc以上のキットについては
大いに疑問です。いくらカブ系のエンジンが強いとはいえ、 ノーマルクランクではそこまでの
高出力に耐えられません。

 本来10万キロ以上の走行に耐えるエンジンがほんの数千キロで終わります。
100cc以上の排気量まで上げる場合は、強化されたロングクランクに交換することに
なるので話は違ってきますが、ヘッドごと交換するようなキットの場合、88ccであっても
強化クランクが必要だと思います。ところが上記3社の商品ラインナップにはそれがありません。
※2012年現在、キタコから強化クランクシャフト(309-1123300)が販売されています。

 「なぜそうなのか?」これはユーザー側にも責任があると思います。
とにかく手軽で高出力、おまけに安価と都合のいいことばかり望んでいるのではないでしょうか?

 まず性能重視で最高速を狙う、そういう考え方もありますが、それでは経験豊富な
ショップに任せられる資金力のある人が勝ちます。モンキーの改造方法は人それぞです。
「遅い=ツマラナイ」というものでもありません。ノーマルの車体を生かし、扱いきれる
馬力でゆっくり走ることだって悪くありません。自分のやりたいこと(方向性)をじっくりと考え、
末永くモンキーと付き合って下さるよう、お願い申し上げます。


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 モンキーを改造するなら、必ず持っておきたい純正マニュアルです。お持ちの車体の年式に合わせた物を用意して下さい。私も最初は、ここから始めました。配線図など今でも見ることは多いです。※H25/7/20 最近純正品が廃番になったのか、以前の2倍以上価格に値上がりしています。

 初心者はもちろん幅広い方にオススメできる一冊です。腰上の分解について、プラモデル感覚で分かりやすく解説してくれています。

 腰上と比べると難易度の高いクランクケース(腰下)の分解について、分かりやすく解説してくれています。上の(腰上編)と合わせての購入がオススメです。初めての方には、心強い味方になってくれると思います。

 

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