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■クラッチ周りの組立方法(一次側クラッチ)

 

作業時間

必要部品代
40分〜
(クラッチ側の組立作業のみ)
各社強化クラッチ 8,000円〜
(別途各種工具が必要)

効 果

必要工具

 ボアアップなどでエンジン出力が増加した場合、ノーマルクラッチでは容量が不足します。強化クラッチに交換することでクラッチの滑りを抑え、本来の性能を発揮することができるようになります。

 ・ソケットレンチセット
 ・ドライバーセット
 ・スクレーパー
 ・サークリッププライヤー
 ・クラッチアウターホルダー
 (プリーホルダーでも代用可能)
 ・トルクレンチ
 ・スパナ

 モンキーのクラッチ周りの組み付け方法です。ボアアップなどのチューニングによってエンジン出力が
増加した場合、ノーマルのクラッチでは対応できず滑りが生じてエンジンの出力をドライブ側に十分
伝えることができません。この場合、強化クラッチに組み替えることで伝達効率を向上させることが
できます。

 強化クラッチは、各社様々なタイプが販売されていますが、大きく分けて一次側タイプと二次側タイプに別れます。一次側タイプは、ノーマルと同じクランクシャフト側にクラッチが付くので、低予算で強化することができるのが魅力です。ただし高回転に弱く、遠心力でクラッチハウジングが破損する恐れがあります。

 高回転型のエンジンを目指されている方は、予算は上がりますが二次側タイプをお勧めします。ただしこの場合、低速トルクが一次側タイプのクラッチと比べて弱くなるので、ゆっくり走るには向かなくなります。

 一次側クラッチの場合、作業工程はそれほど多くないと思いますが、組み付けの際に注意する
ポイントがいくつかあります。特にクラッチセンター周辺の組み付けに失敗すると、クラッチが
切れないことなりますので慎重に作業してください。私も始めて強化クラッチを組んだときに
勝手がわからず、4回もクラッチを分解した苦い経験があります。(^^;

 今回はデイトナの一次側強化2ディスククラッチを使って解説しています。5速ミッションがすでに
組み付けられているエンジンなので、メインシャフトの長さが若干異なりますが、作業手順はノーマル
ミッションの場合でも同じです。

 クラッチの組み替えを考えられている方は、当然ボアアップもされているかと思いますので、合わせて
強化オイルポンプへの交換をお勧めします。「強化オイルポンプへの交換

 クラッチ側の分解だけなら、メンテナンススタンドがあればエンジンを降ろさずに作業することが
できますが、今回はエンジンを降ろした状態で解説しています。エンジンやクラッチ周りの分解手順に
ついては「腰上(ヘッド周り)の分解方法」「クラッチ周りの分解方法」を参照して下さい。

 まずはクラッチ側を完全に分解した状態から解説を始めます。クラッチによってはここまで分解する必要がない場合もありますが、組み付け手順はほとんど同じです。

 まずクランクのシャフトにカラーを取り付けます。カラーにはオイルをしっかり塗っておきます。これは必ず先に取り付けてください。プライマリードリブンギヤを先に取り付けてしまうと、このカラーが入らなくなります。

 この部分はノーマル部品を使い回しているので、クラッチを分解した時に無くさないようにしっかり保管しておきましょう。

 プライマリードリブンギヤを取り付け、Cリングプライヤーを使ってサークリップを取り付けます。

 強化クラッチによってプライマリードリブンギヤを使い回す場合は、この作業は必要ありません。

 オイルをたっぷり塗ってから、クラッチセンターガイドを取り付けます。

 この部分もノーマル部品を使い回しています。

 交換する強化クラッチにプライマリードリブンギヤを取り付けます。最初からクラッチを仮組みをした状態で出荷しているメーカーが多いので、具体的なクラッチの本体の分解手順については省略します。

※このメーカーの仮組みをあまり信用しないでください。運送中の振動などで、ズレている場合があります。プライマリードリブンギヤが奥までしっかり入っていることを必ず確認してください。

 プライマリードリブンギヤの組み付け状態を確認する方法ですが、写真のようにクラッチセンターガイドを取り付けるとよく分かります。

 正しく奥までプライマリードリブンギヤが入っていれば、赤い○の部分のようにクラッチセンターガイドが若干飛び出ます。

※武川の3枚強化クラッチの場合、プライマリードリブンギヤが分割できる構造上、この方法では確認できません。

 プライマリードリブンギヤをクラッチ本体に差し込んだまま、クラッチをクランクシャフトに取り付けます。

 クランクシャフトの先が入りにくい場合は、クラッチ本体を軽く左右に回してやると楽に入ります。

※あらかじめ、クラッチ本体にオイルをたっぷり塗っておきます。

 クラッチのセンターにロックワッシャーを取り付けます。キットに付属している新品を使用します。

※ある程度使用したクラッチの場合、クラッチアウター内部にスラッジが溜まってきます。マイナスドライバーで削れば簡単に取れるので、洗浄しておきましょう。

 ロックワッシャーを取り付けます。ワッシャー表面の「OUT SIDE」と書かれ文字を外側に向けます。この部分もノーマル部品を使い回しています。

※取り付けの向きに注意。

 クラッチ本体をプーリーホルダーで固定してから、ロックナットを規定トルクで締め付けます。(ロックナットもノーマル部品を使い回します)

規定トルク (4.0〜4.5kg-m)

※私はプリーホルダーでクラッチを固定していますがこの方法は不安定です。できればクラッチアウターホルダーを別に用意した方が安定して締め付けられます。

 ロックワッシャーの爪を折り曲げ、ロックナットを固定します。

※ロックワッシャーの爪が溝に合わない場合は、ロックナットを締め付け方向に回して合わせます。

 古いガスケットをスクレーパーでキレイに剥がしてから、新しいガスケットをセットします。

 あらかじめガスケットにオイルを塗っておくと、次回分解するときにガスケットを剥がすのが楽になります。

 クラッチアウターカバーを取り付け、4本の皿ビスで固定します。対角線上に何回かに分けて規定トルクで締め付けます。

規定トルク(0.6kg-m)

 クラッチアウターカバーの取り付けが終わったら、クラッチにオイルを送るオイルスルーを取り付けます。

 細かい部品が多い部分ですので、パーツリストを確認しながら作業しましょう。

 クラッチカバーやクランクケースに残っている、古いガスケットをキレイに剥がしてから、赤い丸をつけた二箇所にノックピンを取り付け、新しいガスケットをセットします。

 ここでもガスケットにオイルを塗っておくと次回分解したときに剥がすのが楽になります。

※オイルフィルターを取り外している場合、元に戻すのを忘れないように注意。

 クラッチカバー裏側にクラッチプッシュロッドが取り付けられていることを確認してからカバーを取り付けます。

 クラッチカーバーを8本のボルトで固定します。一回で本締めするのではなく、0.8→1.2kg-mのように内側のボルトから対角線上に、何度かに分けて規定トルクで締め付けます。

規定トルク(1.2kg-m)

※クラッチカバーの固定ボルトは、場所によって長さが異なります。パーツリストを良く確認して取り付けましょう。それとキックシャフトのオイルシールにキズ付けないように注意します。

 これはエンジンを載せてからの作業になりますが、クラッチの遊び量の調整について少し書いておきます。

 クラッチカバーに付いている、プレートを固定する2本のネジを外せば、クラッチの遊び量を調整するボルトが見えます。赤い○の付いたネジをマイナスドライバーで右に締め込むことで、クラッチの遊びを減らすことができます。

 強化クラッチに交換した場合は必ずこの作業を行ってください。

 お疲れ様でした、これでクラッチカバー周りの組み付け作業は完了です。

 クラッチカバー側だけ分解された方は、この後、クラッチケーブルを取り付けて遊び量の調整を行ってください。

作業上の注意

 武川などの強化クラッチの場合、メーカー出荷時から仮組みされた状態で出荷されていますが、あまりこの仮組みを信用しないでください。運送中の振動などでクラッチプレートの合わせ面がズレていることがあります。ズレたままクラッチを組んでしまうと、クラッチが切れないことになります。昔私もそのことに気付かずにクラッチを組んでしまい、結局全部やり直しになった苦い経験があります。

 それと強化クラッチに交換した場合、クラッチ本体の遊び量の調整を必ず行ってください。そのままの状態だと、ちょっとクラッチワイヤーを調整したぐらいではクラッチが切れません。感覚としては相当クラッチアジャスターのボルトを締め込まないと切れません。


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KITACO:キタコ/プーリーホルダー
KITACO:キタコ/プーリーホルダー

クラッチやフライホイールの
取り外しや締め付けに必要な工具です。

デイトナ/クラッチロックナットレンチ(HONDA用) 9.5□ソケット 対応
デイトナ/クラッチロックナットレンチ(HONDA用) 9.5□ソケット 対応 MONKEY/R

クラッチに使われている、ロックナットの
取り外しに必要な工具です。

KTC  /9.5sq.デジラチェ小トルクタイプ PAT.P. D.PAT C3A
KTC /9.5sq.デジラチェ小トルクタイプ PAT.P. D.PAT C3A

クランケースの組立など、正確なトルク
管理を求められる箇所の締め付けに
必要な工具です。測定範囲が2〜30Nと
狭いので小型エンジン専用になります。

KTC  /9.5sq.デジラチェ PAT.P. D.PAT R3
KTC /9.5sq.デジラチェ PAT.P. D.PAT R3

クラッチ本体を固定するときに必要に
なります。測定範囲が17〜85Nと広い
ので、車体周り全般で使用できます。

KITACO:キタコ/トルクレンチ 350mm DR6-30NM
KITACO:キタコ/トルクレンチ 350mm DR6-30NM

KTCの方が物がいいのは確かですが
安物でもあれば全然違います。とりあえず
トルクレンチが欲しい方にお勧めです。

デイトナ/Cリングプライヤー(4ピースセット)
デイトナ/Cリングプライヤー(4ピースセット)

サークリップの取り外しに
必要な工具です。


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